図書館

(2001/11/15)

久しぶりに市の図書館へ行った。
最初に行ったのは2年近く前だろうか。まだ「別居結婚」中だった関係で、私はこの市の住民ではなく、貸し出しのカードを作ることが出来なかった。
図書館は、我が家から歩いて20分くらいの距離にある。お散歩がてら行くには丁度よい距離ではあるが、交通量が多く、歩道の完備されていない道沿いを歩いていかなくてはならないため、今まではあまり行く気にならなかった。


もともと本を読むのは好きだし、図書館という場所も好きな私だが、今回「図書館へ行こう」と思い立った理由がいくつかある。
まず1点目が、最近、本屋さんへ行く機会が減ってしまったこと。
近くに本屋さんがあるにはあるのだが、それほど品揃えも多くなく、ほしい本にめぐりあえることが稀なのだ。かと言って、遠くの品揃えの多い本屋サン(八重洲ブックセンターのような)まで足をのばすほどでもない。
でも活字がないと寂しいので、結局それほど魅力的でなくてもなんとなく本を買ってしまい乱読度がアップしてしまった。
2点目に、そんなに本屋へ行っていない割には、家計における書籍代の占める割合が意外と多いこと。本を買うことを決して無駄遣いとは思わないが、それでももう少し節約は出来るはずだ。
3点目に、本をおく場所が限られていること。実家にいるときは、本が増えると書棚を増設していた。しかし現在の住居は本棚を設置するスペースはないし、乱読気味の私の読む支離滅裂な本たちは飾るほどのものでもない。結局、箱詰めされしまっておかれる運命になっている。
4点目に、少し体重増加が気になっている私は、もっと外に出て歩くべきであること。
そして最後に、普段仕事で忙しく勉強する時間を作るのが難しい夫が試験のための勉強をするのに、図書館は最適の場所であること。
このような理由から、毎週週末には夫婦で図書館へ通うようになったのだ。


久しぶりの図書館は、当然ながら本がたくさんあってワクワクした。
本屋サンへ行った時の感じとはまた違う。本屋サンというのは、新しい本の紙と印刷っぽいようなにおいがなんとなくして、それはそれでたまらなく好きなのだ。古本屋サンには、古い紙独特のなんだか困ったような懐かしいようなうれしいようなにおいがして、それにもフクザツな魅力を感じる。
が、図書館の本というのは独特な臭いがあるような気がして、さすがに魅力を感じない。
それでも圧倒されるような本棚の数。下から上までびっしり詰まった本棚の前に立つと、なんだか嬉しくなってしまう。


私の市の図書館は、1階に一般向けのハードカバーと文庫本、雑誌類があり、2階には持ち出し禁止と思われる資料類と勉強できるスペース、そして児童書のコーナーがある。
あちこちに椅子が設置されており、座って読書を楽しむことも出来る。ひそかに座って居眠り中の年配の人もいる。
本の検索システムもある。リスの絵が出るシステム・・・?もしやこれは、私のよく知っている図書館のシステムでは・・・。そう、あの昔少し関わったことのある図書館の書籍検索システムだ!
さっそく、キーワードを入れて書籍検索を行ってみる。そうそう、こんな風な画面。こんな風な操作方法。懐かしい昔の知人に会ったような気分。なんだか嬉しい。


ここの図書館では一度に5冊まで本を借りることが出来る。貸し出し期間は2週間だ。 早速5冊、めいっぱい借りてみる。
借りた本については別のところで感想文でものせることにして、さすが図書館だけあって、いろいろなジャンルの本がある。
日本の作家のものもあれば海外の作家のものもあるし、料理の本やお裁縫の本のような実用書もある。寄生虫に関する本や、コレクターズアイテムに関する本などマニア向けのもの、そして驚いたことに児童書のコーナーには落語の本まであった。(実は落語が結構好きな私は、一番最初にその子供向けの落語の本を借りたのだが。)
一般向けの本も嬉しいが、児童向けのコーナーがなんとも嬉しかった。さきほどの落語の本は別として、小学生の頃に読んだような懐かしい本がたくさんあったのだ。文学というのは、たまに爆発的に人気の出るものがあるかもしれないが、大抵は何年、何十年たっても同じものが読み次がれていくんだな、と実感。
小学校の同級生の村田洋クンに貸してもらった、とっても好きなお話「だれも知らない小さな国」シリーズも揃っていたし、ぽっぺん先生シリーズもあった。
「アンネの日記」や「おしいれのぼうけん」「若草物語」「白いきば」「オーロラの下で」などなど・・・とにかく小さい頃読んだ本がみんなここにある!
もう一度読んだら、きっと昔読んだのとは、また違った感じで読めるのかもしれない。図書館ってすごい。


これから寒くなるけれど、懐かしかったり新しかったり、いろんな感動がきっともらえる図書館へ行こう。
本を借りてきて、あたたかい飲み物を用意して、ゆっくり本を読もう。
ここ数年は、出張や通勤の移動時間を潰すために本を読むことが多かったけど、純粋に本を読むために自分の時間を作ろう。
なんだか素敵な気持ちになってきた。