おせち

2005/01/05

お正月を迎えるにあたり、毎年おせちを作っている。年末の、12月30日あたりから仕込みをはじめ31日の夜には完成する。
昔は、お正月はスーパーや飲食店もお休みで、年末のうちに買い物を済ませ、お正月はおせちとお雑煮で過ごしたような気がするが、最近は新年早々からスーパーも飲食店も開いている。なのでそんなに気合を入れておせちを作る必要もないとは思うのだが、やはり縁起モノもあるので食べておきたい気分なのだ。


おせちその1 結婚して最初のお正月のおせちは結構気合が入った。「縁起もの」はみんな入れよう、手作りしよう、という意気込みだ。
この年の収穫は、苦手だった「数の子」が食べられるようになったこと。あのにおいとコリコリした感じが苦手で、毎年お正月には敬遠してきた食べ物だ。しかし年末のスーパーで味付き数の子の試食をして意外に美味しくてビックリ。そしてついに食べられるようになった、というわけだ。
おせちの中身には私の苦手なものが多い。前出の数の子もそうだが、栗キントンもどちらかと言うと苦手。ちょっとなら食べられるが多くは無理。黒豆も甘くて、伊達巻も甘くて、とにかくたくさんは食べられない、というものが多すぎる。
しかも我が家は二人家族。お正月にお客様を迎えることもないので、結局たくさん作っても飽きるし余る、ということをこの年には学習した。


おせちその2 翌年のおせちは量はほどほどに。そして黒豆やゴマメなどは食べきりサイズの少量パックのものを購入することにした。お重の中は、私の好きな筑前煮や、夫の好きな豚の角煮などが大半を占めるように。
お重に入りきらないのし鶏や大根なますなどの普段のおかずの延長(?)のようなものも別途登場。「伝統的なおせち」にはこだわらないことにした。
そういえばもともと私の実家のおせちは、おせちの「決まりもの」みたいなものの他に、唐揚げだとかブリの照り焼きだとか私が好きな「おかず」がしっかりあったように記憶している。
そしてお神酒も、夫の苦手な日本酒ではなく、赤ワインに。しかもちょっと奮発した高い赤ワインを用意。味のほうは残念ながらあまり好みではなかったが、そういうところで「特別感」を演出してみた。
要するに形式だけでなく、自分流のおせちを作っていけばいいのだな、と。そんな風にして、毎年だんだん「我が家風」のおせちが出来上がってきた。


おせちその3 そして今年のおせち。
一番気合を入れたのが「伊達巻」だ。実は市販の伊達巻が甘すぎて私はどうも苦手。長く保存することも考えての甘さなのかもしれないが、家で作るなら長期保存の必要はないし、好きな味に作ることができる。そういうわけで、甘さ控えめ・だしたっぷりの我が家風伊達巻の完成だ。最初は上手に出来るか不安だったが、やってみれば案外簡単で見栄えもバッチリ。もちろん味も私好み。これなら普段のお弁当用にも作れそうな感じだ。
お重の中は他に、豚の角煮に鶏の唐揚げ、酢蓮に黒豆、栗きんとん、こぶ巻き、カマボコに、鶏のゴボウ巻きなどだ。筑前煮は温かいのを食べたいからお重には入れず、数の子やエビもおつまみのような形での登場となった。
さすがにおせち作りも6回目ともなるとだんだん慣れてくるものだ。
買い物や準備もサクサクとこなせたし、温かいまま食べたいもの、冷たいまま食べたいものなど考える余裕も出来た。もちろん余ったおせちの再利用もバッチリだ。


お客様のおもてなし献立や、特別な日のごちそう献立など、なんでもそうだけれど、実は気合を入れて頑張るより、普段どおりの献立をちょっと工夫するだけのほうが美味しいしうまくいくような気がする。
しかしながら、たかがおせち・されどおせち。新年を気持ちよく迎え、一年間美味しいものが食べ続けられるように、との願いを込めて、やっぱり今年の暮れもおせち作りに精を出すのだろうと思う。