誕生日に優勝

2005/09/30

9月29日は私の誕生日だ。そして今年2005年のその日、阪神タイガースがリーグ優勝を決めた。


今年のタイガースは強かった。去年はリーグ優勝の翌年であり、星野監督から引き継いだ岡田監督の一年目、期待はそこそこしていたが最後は4位に終わった。去年は「比べちゃいけない」と思いつつも星野阪神と岡田阪神を比較してしまったり、ベンチで首をかしげる岡田監督の采配に、テレビの前で首をひねったりしていたものだ。
しかし今年のタイガースは違った。岡田監督は前年に比べて、落ち着いているようであり、野球を楽しんでいるようであり。「この人って本当に野球が好きなんだなぁ。この人って本当に阪神が好きなんだなぁ」と思うことがしばしば。細かく見ていけば腹が立った試合も、中日に迫られて焦った時期ももちろんあったが、全体的には、あれよあれよという間にマジックが点灯し、減っていった感じだ。


実は、マジックが減っていく間に正直狙っていた。自分の誕生日が胴上げの日だな、と。しかもその日は岡田監督の亡くなったお父さんの誕生日だと言う。岡田監督は何かにつけ「運のいい人」だ。そして私も負けずに「運のいいヤツ」なのだ。最初は「そうだったらいいな」くらいだったのが、次第に「もうその日しかない」と確信に変わっていた。
そして実際、9月29日の夜、岡田監督は宙に舞った。今まで生きてきた中で嬉しい贈り物というのはたくさんもらったが、こういう誕生日プレゼントというのは初めてだ。


2003年もそうだったように、この日の胴上げもテレビの前でしみじみと見た。岡田監督の笑顔がすごく嬉しかった。去年は好きになれなかった岡田監督が、何故だか今年は好きになった。彼は愛すべき「虎キチ」で「野球馬鹿」である。監督をはじめ選手のみなさん、今季もお疲れ様でした、そしてありがとう。しかし今季はまだ終わったわけではないし、これから2年前の忘れ物を取りに行かなくちゃいけない。だから、もうしばらくの間頑張ってください。球場へはなかなか行けないけれど、テレビの前から念を送り続けます。
と、ふと試合日程を見て驚いた。日本シリーズの最終戦は夫の誕生日じゃないか!
万が一、日本シリーズが第7戦まで行われ、その日に阪神の日本一が決まったら、今度は夫の誕生日が優勝記念日だ。私がリーグ優勝、夫が日本一・・・もしそうなったら私たちって最強の幸運な夫婦かもしれない。