あれから1ヶ月

2003/10/15

あれからちょうど1ヶ月が経った。
マジックが点灯したのが7月初旬。まだまだ大きな数字で、なんだかまだ実感がわかなかった。それからちょっと負けこんだ8月のロードがあって、ひょっとしたら、今季もここまで期待させておいて駄目になるんじゃなかろうかと心配させて。それでもマジックは次第に減っていき、9月についに一桁になった。そして毎日がヤキモキ。あともう少しなのになかなか勝てない。
そしてあの日。9月15日。ついにその瞬間はやって来た。あれからもう1ヶ月だ。


マジックが点灯した頃から「その瞬間」をどういうふうに迎えようか、自分なりに結構悩んだ。
まず球場へ行くのは無理だったので潔くあきらめて、家でテレビ観戦をすることにした。もちろん試合から胴上げのセレモニー、そしてビールかけと全てをビデオに録画する準備も怠らない。選手たちはいろんな特番に出演するはずなので、それも頑張って録画しなくてはいけない。各テレビ局のニュースも録りたい。というわけで、ビデオテープをしこたま買い込み、ハードディスクビデオもすっきり空けてその日に備えた。


当然我が家でも祝勝会は行わなくてはいけない。庭でビールかけ、というのも一瞬考えたが、ご近所迷惑になりそうなのと、ビールは飲むほうがいいしもったいないし、ということで却下となった。普段も休日のデイゲームを見るときなどは、おつまみをたくさん用意してワインを飲みながら参戦することが多いのだが、その大切な試合の時に何を飲むか、というのも悩みのひとつだった。気合を入れてお気に入りのいいワインを飲みつつ観戦して、万が一決まらなかったら悲しすぎる。だから「とっておき」は試合後にとっておくことに決めた。


球場へ行ったときは、メガホンをもって声を出して一生懸命応援するが、私の場合、テレビ観戦をしているときは、どちらかと言うと「ボヤキ」派だ。そんなにワーワー騒いで見ていることは無い(と思う)。エキサイトする時ももちろんあるが、結構冷静に分析したり、勝手に解説したり、薀蓄をたれるのも好きだったりする。でも、優勝が決まる、というときに落ち着いて見ていられるのか、ハッキリ言って自信がなかった。何せこういう状況は初めてだ。結局、まだかまだかと毎日クビを長くして待ち続け、ちゃんとした「優勝プラン」もないまま当日(9月15日)を迎えてしまった。


その日の試合は甲子園でのデイゲームだった。これに勝った場合、マジック対象のヤクルトが負けることによって優勝が決まることになる。が、そのヤクルトの試合はナイターだ。なんだかマヌケだなぁ、と最初は思っていた。
試合はなかなか面白くない展開だった。先発の伊良部が3回に広島・シーツに本塁打され2点先制される。こっちはなかなかチャンスがない。ようやく5回にこの回先頭の矢野がヒットで出て伊良部がバントで送る。そしてトップバッター沖原がタイムリーで1点を返す。7回表、広島がチャンスをつくり、好投していた先発・河内に代打を送る。ここでうちも伊良部からリガンにスイッチ。そして片岡がサードの守備につく。リガンが後続をしっかり抑え広島は追加点できず。


そして8回裏、この回先頭打者の片岡が、またしても魅せてくれた。値千金の同点アーチは右中間スタンドへ吸い込まれた。この人は、こういう場面でこういう仕事をしてくれる。去年はつらいシーズンだったと思うけど、うちに来てくれてホントにありがとう。今、こうして思い出すだけでも涙が出てくる。本当にこの一本は感動的だった。その後満塁のチャンスを作るも選手会長・桧山が打てず、同点のまま試合は9回に進んだ。


あとはあちこちのニュースでもやっていたとおり、今季はずっと頑張ってきた藤本がヒットで出て、片岡がヒットでつなぐ。ここで私のご贔屓の秀太も代走として登場。沖原敬遠で広島は満塁策をとる。(ちなみに、私的には満塁策というのが好きではない。勝負なのだから駆け引きが大事なのもわかるし、こういう作戦もあるのもわかる。ただ満塁策がうまくいった経験が過去にあまり無かったため、いいイメージがないのだ。)ここで誰よりも負けず嫌いらしい赤星の打順だ。星野監督自ら赤星になにやら耳打ちをしている。そしてライトオーバーのタイムリーヒット。劇的なサヨナラ勝ちだった。
お立ち台での片岡の「1年間のいろいろな思いをひと振りにかけました」というコメントに涙が止まらなかった。


ここからヤクルトの試合が終わるまで待ったわけだが、なんだかそれはあっという間でワクワクした時間だった。
そしてその瞬間がついにやってきた。ホントに涙が止まらなかった。どんなにバカ騒ぎをしてしまうんだろうと思っていたのだが、実際は感動するばかりで、星野監督の胴上げを見て泣いて、監督のメッセージを聞いて泣いて、試合のビデオを見て泣いて・・・とりあえず「タイガースだるま」に片目を入れて記念撮影したりして。それから数日間は何度も何度も、9月15日の試合と胴上げのビデオを見ては、しみじみ涙していた。
本当にリーグ優勝しちゃったなんて。おめでとう阪神タイガース関係者の皆さん。そしてありがとう、選手の皆さん。次はもう一度、日本シリーズでこの素晴らしい感動を私たちに味あわせてください。